ギリシャの限界と支援の制約

南欧諸国への巨額の支援に国民の不満は大きいが、一方でユーロ体制によって最大の恩恵を受けているとも言われるドイツ。ユーロ維持に向け、難しい舵取りを迫られている。ギリシャ問題によるユーロ崩壊は世界的な経済危機へと発展しかねない。世界中がいま、ギリシャ危機とユーロの行方を見守っている。FX投資家必見の内容。

ギリシャの限界と支援の制約

トロイカによる政策は、中核国への悪影響や金融システム全体の混乱を阻止するうえでは成果を発揮した。しかし、肝心の3力国の国債の償還をめぐる不安の沈静化にはつなかっていない。

 

ギリシャの財政再建シナリオはわずか1年で破綻し、追加支援が必要になったが、当事者問の合意形成のハードルはよ旦局くなっている。まず、追加支援の大前提となるギリシヤ政府の改革の実行力。追加支援の対象期間は14〜15年に設定される見通しで、13年までにはギリシヤで総選挙が実施されるため、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では「すべての主要政党の合意」(ユンケル議長)を追加支援の必要条件としている。

 

パパンドレウ政権は6月9日に500億ユーロ相当の民営化や国有資産売却のほか、公務員の人件費削減や増税を盛り込んだ中期財政再建策を閣議決定したが、景気後退が続くなかでの追加の負担に対する国民の反発は強く、15日には全土でゼネストが行われるなど抗議行動が広がっている。

 

パパンドレウ首相は、中期財政再建策に反対の立場をとる最大野党・新民主主義党に対して、自らの辞任の見返りとする計画への同意と大連立を提案したものの交渉が決裂、内閣改造と議会で信認投票を行弓事態に追い込まれた。本稿執筆時点では追加支援の大前提となる中期財政再建策への超党派の合意は成立していない状況だ。一方、支援側にとっても支援の拡大は容易でない。財政健全国では、4月のフィンランドの総選挙結果やドイツの州議会選挙における相次ぐ与党の敗北に象徴されるように、支援負担拡大への不満が強まっている。ギリシャ危機は予断を許さない様相を呈している。