追いつめられたギリシャ。枠組みつくりは行った

南欧諸国への巨額の支援に国民の不満は大きいが、一方でユーロ体制によって最大の恩恵を受けているとも言われるドイツ。ユーロ維持に向け、難しい舵取りを迫られている。ギリシャ問題によるユーロ崩壊は世界的な経済危機へと発展しかねない。世界中がいま、ギリシャ危機とユーロの行方を見守っている。FX投資家必見の内容。

これまでの支援の内容「枠組みつくりは行った」

昨年5月、ギリシャ危機に対し、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の「トロイカ」は支援によって債務不履行(デフォルト)を回避した。しかし今また、同じ通貨危機がやってきた。だが、支援国の国民の不満から、トロイカによる追加支援がしにくくなった。そこで、「民間投資家に負担を求める」という「次の一手」を模索している。

 

ギリシヤ危機の前、EUには財政危機を想定した支援の仕組みはなかつた。しかし昨年5月、ギリシャ政府のデフォルト回避のため、EUはIMFとともに3年間で1100億ユーロの支援を決めた。同時にEUは、3年間の期限付きで総額600億行規模の欧州金融安定メカニズム(EFSM)と総額4400億?の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を創設。「次のギリシャ」に備える体制を整えた。アイルランドとポルトガルにはEFSMとEFSFを活用した支援をし(23つの表2)、2013年半ばにはこれらを引き継ぐ欧州安定メカニズム(ESM)が始まる。「枠組み不在」という状況からは大きぐ前進したが、経済力や利害関係で様々な多国間調整を要するだけに機動性や柔軟性に不満が残る。

 

ECBが、ギリシヤ危機以降、果たしてきた役割は大きい。今年4月に続く7月利上げへの動きを見ると、ECBは危機国を置き去りにしているようだが、08年の金融危機時に導入し、現在では危機国銀行支援の枠組みとなっている金額無制限・固定金利の資金供給を、少なくとも9月末まで続けることを決めた。10年5月には、国債買い入れも開始。今年3月以降、新規の買い入れは見送っているが、いざという時は利用可能な枠組みとして残している。